栂海新道 2014年9月9日~11日


コースタイム

9日 親不知海岸登山口7:30---白鳥小屋12:45/13:00---栂海山荘16:15

10日 栂海山荘5:40---さわがに山7:10---黒岩山8:20---朝日岳12:40---

---朝日小屋 13:25(テント泊)

11日 朝日小屋5:15---雪倉岳9:10---避難小屋9:30/10:00---三国境11:00---

---白馬岳11:50---猿倉15:30

第1日目(9/9)

前夜、新宿から夜行バスに乗り富山駅へ、始発の電車に乗り親不知駅に降り、予約していたタクシーに登山口がある親不知海岸まで送ってもらった。せっかくここまで来たのだからやっぱり親不知海岸の波打ち際まで遊歩道を降り、玉砂利を記念に拾った!

さあ!遊歩道を登り返して登山口の標柱から長い山旅が始まった。ワクワクどきどき、楽しい旅になるといいな。この日はわりと涼しいと思えたのだが、やはり標高の低い里山を歩いているからか、歩きはじめからいきなりの急坂は汗が流れた。今日は栂海山荘までのコースタイムにして約10時間を歩く。最初のピークである尻高山(667m)までの登山道で少し古い熊のフンを見つけた!やっぱりいるんだ!ここからしっかり熊鈴を鳴らして歩いた。尻高山の標識はあっという間にあらわれ、坂田峠に出た。坂田峠までは車で来られるのだ。さあ、実はここからが本当の急坂。そして、蛇が無数に現れては逃げていく自然の豊かな登山道が始まった。私は蛇は平気だし、蛇の大きさもたいして大きくなかったが、それにしても、こんなに次々と登山道に蛇が出てくる道は初めてでした。それだけ自然が豊かなのでしょう。そういえば、シキワリの水場出前では猿も居ました。木ややぶが、がさがさ揺れるので始めはビビリましたが、体重の軽そうな動物がいるんだと直ぐわかったので、先に進むことにしました。白鳥小屋まではわりと早く、呆気なく着いた感じでした。ここまでで、下山する登山者に二人会いました。一人は白鳥小屋泊まり、一人は栂海山荘泊まりで下りてきたということです。それぞれ小屋にはひとりで泊まったと言うことで、私も今日は栂海山荘にはひとりで泊まれるのかなと思っていました。白鳥小屋は屋根の上が展望台になっているので、垂直の梯子を登り上まで上がったのですが、この時には小屋の周りはガスっていて何も見えませんでした。

白鳥小屋を出発して水場を過ぎると、結構急な下り坂が続きます。この坂を結構な勢いで登ってくる若い女の人1人、続いて男の人1人とすれ違いました。今朝朝日小屋から歩いて来たようです。この日朝日小屋から下りてきた登山者は8人で若い4人は白鳥小屋泊まり、年配の登山者は栂海山荘泊まりのようでした。栂海山荘への最終の水場である黄連の水場で3L水を補給して、さぁあと2時間位歩けば!天気はいいし、静かだし、でも、かれこれ歩きはじめてから7時間、水の重さもヘビーブローのように効いてきて、あと残り1時間弱の登りが精神的に結構頑張ったかな!日暮れまでには山荘に着きたかったので、赤い屋根の山荘がみえてからの30分はほっとする気持ちと、早く、あそこまで行きたいと焦る気持ちで必死に歩きました。山荘に近くなると小屋が見えなくなり、急な上りをあがりきって目の前にひょっこり小屋が見えた時は嬉しかった!4時過ぎにひょっこり現れた私を見て、小屋の今夜の先着の登山者は何処から来たの?とビックリしていました。朝日小屋からの登山者は自分たちの他はいなかったので、今日は4人だと思っていたところにまさか、下から上がってくる人がいるとは思っていなかったようです。

栂海山荘は幾度か建て増しされているようでした。この小屋に泊まるには、事前にさわがに山岳会に連絡しておいたほうがいいようです。水場の様子や宿泊者の人数が多いシーズンには事前に様子が解ると便利だし。思えば小野健さんがご健在のうちに来たかったなぁ。こんなロングトレールを開拓した人に会ってみたかった。今年の3月にお亡くなりになられたのを今年の5月に知った、だからどうしても今年登りたかった。来れてよかったなぁと小屋で休みながらしみじみ思った。

第2日目(9/10)

この日は三日間で一番行動時間が短い、そんなに早く出発する必要もないが他の宿泊者が起き出した時間で同じ様に行動を開始した。栂海山荘に綺麗な毛布が備えられていたので、シュラフも使うことなく暖かく眠れた。パッキングもほどかなかったので、荷造りも速かった。野趣あふれる空中トイレでサッパリして、栂海山荘を後にした。朝からよく晴れていて、糸魚川の町や日本海、雨飾山から妙高山まで見えたと思う。さわがに山山頂は360度の展望でこの日もよい天気だ、さわがに山は標高1612mだ、丹沢の蛭ヶ岳くらいかな、今日はここから朝日(2418m)まで登り朝日小屋にテント泊の予定。人も少なく池塘や湿原のお花畑をずっーと歩くと思っていたのだけど、樹林を抜けると湿原、また急な上りの樹林を抜けると湿原、そして見晴らしの良い湿原の先にまた急な上りの樹林帯と不思議登山道が続いた。花の季節が終わっていたのが残念だった、花の季節にまた訪れてみたいと思った。今度は日本海まで下るかな。昨日の疲れが抜けてないのと、やはりこの日の標高差900mは段々効いてきた、照葉の池が見えて来たときにはやっと先が見えてきた気がして嬉しかった!ここから吹上のコルに着いた時、時間はちょうど昼だったが冷たい風が吹く通り道になっていたのでパンをひとかじりしたら直ぐ朝日岳を目指して歩き出した。とにかく先に先に進む、なんでこんなに私は先に進みたいのだろう、もう少しゆっくり休んで歩いてもいいのにと思う、でもきっと私はまだ行った事がないところに早く行ってみたいのだ。この道の先に広がるまだ見た事がない景色を早く見たくてしょうがないのだ、あともうひとつ、歩くのが大好きなのだ。天気が悪くて何も見えなくても、ただ黙々と歩くのも好きだ。

今日は朝日小屋の夕食を楽しみに歩いた。テント泊でも予約していれば夕飯が食べられる。

登山者に厳しいと有名なこの小屋の女主人のゆかりさんにも会ってみたかった。

第3日目(9/11)

いよいよ最終日、朝日小屋から白馬岳を経て猿倉へ下山する。休みが三日間しかないため今日帰らなくては行けない。コースタイムで約11時間30分、まあ行けるでしょう。

出発時間を女主人にも聞かれ、5時に歩き始めるつもりと答えると、私の脚なら行けるでしょうとのこと、どうも、女主人のゆかりさんは栂海新道を1人で上がってきた私を気に入ってくれたらしくなんか怖いどころか、優しいぞ!

しかし、天気は優しくなかった、昨日まではいい天気だったが、そろそろ起きようかなと思っていた午前3時前から雷がなり始めた。昨晩のラジオの天気予報が当たってしました。

寒気が入り込んでくるので、新潟県や長野県では所によって雷と言っていた通りになった、雷の音がまだ遠いうちにトイレを済ませ、とりあえず朝ご飯を食べよう。雷が通り過ぎて雨が止んだらすぐ歩ける様にしておこうと思った。そんなに長く雷は続かないだろし、とにかく今日は下山しないといけないのだ。しかし、テントに雷は落ちないのかなあ、落ちるとしても、このテント場に張られている3張のテントの中で私のテントが一番小さいから背も低いはず、高いテントに落ちるはずだから私は大丈夫なはず、なんて真剣に考える位凄い音が初めは横から聞こえ、頭のうえで鳴り響いて、そのうち段々遠くなった。

雨も小降りになってきた。時間は5時過ぎ、これなら予定通り猿倉へ下山出来そうだ。

テントを撤収して、ザックを担いで歩き出そうとしたら、まだ薄暗い夜明け前なのに小屋の前に人が出て来ていた、女主人のゆかりさんだ。なんと私を見送りに出てきてくれていたようだ。

時間は5時20分、寒いなか待っていてくれたんだ、テント泊の登山者を見送りに出てきくれる山小屋の主人なんて初めてでスッゴい嬉しかったし、その人の暖かさに、私は思わず、「今度は日本海まで下る時にまた来ます!」と言っていた。だからまた、ゆかりさんが私の事を忘れないうちに朝日小屋に行こうと思っている。コースはまだ未定だが。とにかく雷が早く行ってくれてよかった。もし、歩き出してから鳴り始めてもヤバイし、あと2時間位遅く鳴り始めても、今日中に下山出来なかったかもしれない。とにかく本当によかった、そんな事を思いながら、水平道を雪倉岳を目指して歩き出した。歩き出すとすぐ雨は小降りになり、着ているカッパが蒸し暑くて邪魔になる、立ち止まりカッパを脱ぐ、するとまたどこかで見ていたかのように雨が激しく降りだす、またカッパを出して着ることに。そんなことを何度となく繰り返しながら、雪倉岳の登り斜面に差し掛かり今日初めての登山者とすれ違う。唐松から歩いているらしい、私も白馬岳にたどり着けば日本海から扇沢まで繋がる。思えば今日で3日目になるがまだ登っている、頂上までの長いトレイルいくつのピークを越えてきたのかな、残りはあと二つのピークだ。朝日小屋から雪倉岳は思っていたより時間がかかった。地図には展望がいいと書いてあるが今日はガスガスで何も見えない。とにかく先に進もう。雪倉岳避難小屋が直ぐ見えてきた、ここでエネルギー補給の小休止をした。小さいけれど綺麗に使用されている、小屋の内部にトイレもある。

さぁ、出発しようかなと思っていたところで、白馬からの登山者が入ってきて思わず話しこむ、結局30分も休んでしまった。ここから少しスピードアップして歩き出す。三国境から先は一度歩いたことがある。一度でも歩いたことがある道は時間が読める気がして焦りがなくなる。

岩場を幾つか越えていくと、やっと見覚えのある白馬岳山頂の石柱が見えてきた。朝日岳はお花畑が残っていた、秋の花のうさぎぎくやマツムシソウ、ミヤマリンドウなどが咲ていたのに、白馬岳山頂の斜面は草紅葉で季節がすっかり秋に進んでいた。そんな景色を見ながらやっと山頂にたどり着いた!あまりなにも考えずただ山頂を目指していてきたつもりだったが、突然じわーっと涙が出てきた。「やったー!たどり着いた!」そんな言葉も思わず口をついて出ていた。

正直凄くほっとした、しかし次の瞬間自分の気持ちを入れ換えた、だってここは白馬岳山頂だ。ここから雪渓を下って無事帰らないと。この時期雪渓を歩きたくはなかったのだが、時間を考えるとしょうがなかった。白馬の雪渓は歩いたことがない、荷物を軽くするため軽アイゼンは持って来なかった。岩室跡より下まで下ってやっと雪の上を歩き出す。思っていたより堅くしかも、無数の落石が雪渓の上に転がっている。時間も午後を周り私が歩き出すとガスで何も見えなくなってきた。だだひたすら足元を確かめて滑らない様に足を進めた。雪渓はずいぶん溶けて小さくなっていたようで、雪の上を歩き出して30分位で籾殻の赤いマークが雪渓から上がるように誘導してあった。しかし、その道も崩れやすく踏み跡が分かりにくい。少し前まで雪があったのだろう、日を追って様子が変わる雪渓脇の登山道だ、ここだって落石がいつどこから落ちて来るかわからない。こんな道は夏でも出来れば歩かないようにしたいものだ。私は運が良かっただけだなあとつくづく思いながら無事に下りてこられたことを喜んだ。


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