• sanyukai

槍ヶ岳~北穂高岳 9月14日~16日


拝啓  涸沢も、にわかに秋色をおび始める今日この頃、北穂高様におかれましてはいかがをお過ごしでしょうか。先日そちらへお邪魔した折には、大変お世話になりました。初日は上高地から入山し、北穂様の元へお伺いする前に、ご近所の槍ヶ岳様を目指しました。 槍沢ルートはとにかく長く、なかなか高度が上がっていかないと思いきや、身体が十分疲れてきた所からグングンと勾配が強くなるのには参りました。初日は槍ヶ岳山荘にて幕営するつもりでいましたが、行動時間が10時間にも及ぶ予定でしたので、到着が遅くなり場所がなくなる事を予測し、その下 の殺生ヒュッテに変更いたしました。 世間は三連休という事だけあって、槍ヶ岳山荘へは人が沢山いらしそうで、渋滞した夜間登山客のヘッドランプの灯りが連なり、夜の闇の中でも槍様 のシルエットを見せていただく程でした。それでも尚、朝になっても槍様には登山渋滞がおきていましたのには驚きです。さすが、北アルプス南部のス ター 的存在ですね。私の今回の目的は、槍様登頂ではなかったものですから、渋滞で時間を費やすなら・・と思い、槍様には失礼いたしまして、まっしぐらに貴方様のおら れる方角へ歩いて行きました。貴方様と槍様を繋いでいる縦走路が、私の第一の目的でしたから。穏やかな中岳様、南岳様を過ぎますと、段々と道が細く険しくなり、人の姿もほとんど見られなくなっていました。そして、縦走路の前方には堂々たる お姿で貴方様が鎮座しておられました。それはもう、何と申しましょうか、近づき難い とでも申しましょうか。圧倒されるお姿でした。長谷川ピークと飛騨泣きと呼ばれる周辺は、本当に一歩間違えれば命は無いと思い知らされる場所ですね。幕営装備で来てしまった事を少しだけ後悔い たしました。だって、少しでも重い荷物に負けてバランスを崩そうものなら奈落の底ですもの。とにかく、慎重に慎重に。そして、北穂様・・貴方様の頂上直下のよじ登る様な急登ぶりには、今の自分の 不甲斐なさが際立ったのですよ。前日の取りきれてない疲労と、背中の重い荷物で思う様に足が上がらなく、何度も「クソッーー!!チクショーーッ!!この足!!ちゃんと上が れっ!」と、ブツブツ自分に文句を言いながら登っていたのですから。北穂様にはお見苦しい所をお見せしてしまい、お恥ずかしい限りです。そんな状態でしたので亀の様な速度でしか進めず、北穂様の元に伺ったのはコースタイムを2時間以上も上回った、15時頃になってしまいました。更に涸沢へ下り幕営する予定でしたが、貴方様の急な下山路を後2時間近くも下 る為の気力と体力は私には残っておらず、急遽予定変更で頂上直下のト イレも無い、無人の幕営地に幕営したのですよ。テントは私を含め2張り。もう一つのテントは大学のワンゲル部員らしき元気なお嬢さん達。一人じゃ ない事に少し安心 いたしました。夜は結構強い風が吹いておりましたので、テントが飛ばされるんじゃないかと肝を冷やしましたが、深夜にもなると風も止み、 穏やかな北穂様の元で安眠する事ができました。下山する最終日、安眠しすぎて少し寝坊してしまいました。最終日も長丁場ですので早々に撤収作業に取り掛かり、貴方様の元を失礼いたしました。予定していたパノラマコースは諦めて、横尾経由で上高地に戻りました。井上靖の小説「氷壁」の舞台でもある奥又白池の近くをかすめるパノラマコー スを歩 く 日を楽しみにしておりましたが、アップダウンのあるこの健脚向きコースは残された体力では自信がなく、諦めざるをえませんでした。これも、自分の 不甲斐なさ故。情けない話ではございますが。 いつかまた今回の縦走路にて、北穂様の元に伺う際はもう少しマシな姿で参上できる様、精進して参りたいと存じます。 これからの紅葉シーズンを迎えるにあたり、北穂様におかれましても今秋の実りをお祈り申し上げます。     敬具 【コースタイム】※休憩含む 9月14日(日){晴れ} 上高地(6:39発)~横尾(9:32着)~天狗原分岐(13:48着)~殺生ヒュッテ(16:00着幕営) 9月15日(月){曇り時々晴れ} 殺生ヒュッテ(6:14発)~槍ヶ岳山荘(7:02着)~中岳(8:42着)~長谷川ピーク(12:10 着)~北穂高岳(14:59着)~北穂高岳山頂直下幕営地(15:10着) 9月16日(火){晴れ} 幕営地(6:52発)~涸沢(8:55着)~横尾(11:55着)~明神館(14:22着)~上高地(15:30着)






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