安達太良山中腹にある、くろがね小屋の夕飯で出るカレーは、カレー激戦区の神 保町で店を出してもいいんじゃないか? と思うほどに旨かった。 噂では、かなり美味しいと聞いていたけども、ここまで美味しいとは・・・想像 を超えていてびっくり!しかも、おかわり自由!(普通盛りで、おかわ りをい ただいた) 作り方は、歩荷人が汗水流して担いで来た大量な玉ねぎをゆっくり、ゆっく り・・・飴色になるまで炒めてから、とろ火でゆっくりと他の野菜と煮込 む。 煮込んだスープが深い色合いになるまでルーの投入は我慢する。 クツクツクツと、小人の足音の様な音がしてスープにとろみがついてきた所で、 いよいよ誰が作ってもまあまあ美味しくなる市販のルーと、山小屋番人 のプロ 意識と、少しの愛情を隠し味として投入する。 すると、神保町の名店に負けずとも劣らないカレーが出来上がる。 味は口の中に広がる甘みをベースに野菜の香りとスパイシーな味が広がってくる。 具は、ジャガイモ、人参の乱切りしたものが3つ、4つ入っている。 別小皿には付け合せの「らっきょう」と「福神漬」 客は各々好みで取ってカレーと一緒に食べたりする。 くろがね小屋のカレーにビールは要らない。カレーだけで大満足だからだ。 ・・・。 作り方はほとんどが私の想像(妄想)であるが、それくらい美味しいカレーだと いう事を伝えたかった。 カレーのお話を広げると山遊ニュースを何ページもカレーで使ってしまい、編集 の桜井さん泣かせになってしまうので、今日はこれくらいにしておこ う。 (2015年1月1日) さて、元旦である初日はあだたら高原スキー場登山口から登りはじめ、スキー場 のゲレンデ脇の登山道を入って行く。 歩き始めてまもなく雪が降ってきたが、樹林帯なので特に風の影響を受けずに歩 いた。 元旦なので沢山の人とすれ違うのだが、挨拶は「あけましておめでとうございます」 ああ、そうだった。今日は元旦だった。 大晦日の昼過ぎまで、慌ただしく仕事をして帰ってきて、準備を整え慌ただしく 出て来たから、年末年始という事を忘れていた。 2014年も色々な事があったな~。振り返りながら雪道をワカンで歩き、雪山を楽 しんだ。 そうこうしていると、くろがね小屋に着き、小屋の中に入ると人が沢山いた。 毎年ここで忘年会&新年会をしているという常連団体さんは、色々な食材と酒を 持ってきていて午前中から既に出来上がっている。 楽しそうだ。来年来るとしたら、お正月らしくマグロの刺身とか、餅とか、ザッ クがパンパンになる程持って来ようと心に誓う。 小屋でチェックインして休憩後、山頂へ向かうことにした。 雪が降っていて風が出て来たようだったが、無理をしないという条件付きで出か けた。 しばらく歩くと段々と視界が白くなってきて、時折耐風姿勢をとる。顔にバチバ チと雪が当たってすごく痛い。 そんな中、先行パーティーが引き返してきた。話を聞くと稜線上は風が強くホワ イトアウトしてトレースも消えているとの事だったため、明日に期待し て私達 も小屋へ引き返す事にした。 さて、ここのもう一つの名物は温泉である。外から帰ってきて寒かったので、本 当にありがたかった。 源泉かけ流しの温泉は体が芯から温まる。 「温泉→ビール→温泉→ビール」を繰り返し、おなか一杯に美味しいカレーを食べ て、山の風の音を聞きながら布団の中で登頂する夢を見て寝る。 なんという贅沢な正月だろう。 (1月2日) 朝起きて、朝ごはんをいただく。「おせち料理」のおかずに牛すじ煮込み、おす まし汁などが並ぶ。お正月気分たっぷりで至福。 外を見ると少しガスっていて天気は最高とは言えない。 とりあえず、行ってみることにした。昨日よりは風とガスはマシだった。峰の辻 まで着くと風は少し強くなっていたがそれほどでもないし視界もある。 ここ は、スノーボードで滑ると気持ちいいだろ~な~。と、コースを想像しながら山 頂を目指す。 最後の登りを風に耐えながら一歩一歩登り、とうとう山頂へ着くと、風は更に強 く吹いていた。 安達太良山の傾いた道標と一緒に、ささっと記念撮影を済ませ下山した。 安達太良山からの景色は全然見えなかったけども、今回は小屋の雰囲気も、小屋 の人も、そこへ集うお客もみんないい感じで、こんな山登りの楽しみも あった のだと思った。 テント泊もいいけど小屋泊まりもいいものだ。新鮮な気持ちで一杯の新年山行 だった。 {行動時間} 1月1日 曇りのち雪&時々強風 9:00あだたらスキー場---11:25くろがね小屋休憩12:00出発---12:20ホワイ トアウトの為撤退 その後小屋周りで、ラッセル訓練&ヒップそり訓練 1月2日 雪&時々強風 8:20くろがね小屋出発---9:45山頂(9:55出発)---10:40くろがね小屋 (11:30出発)---13:00あだたら高原ス キー場へ下山
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