上越 平標バックカントリースキー


谷川連峰バックカントリー!

本格的なバックカントリーである。体力も滑降技術も大して無い私が、一丁前に谷川連峰でのバックカントリーである。ホントに行っていいんだろうか・・・

Nさんの最初の計画は「西ゼンルート」だった。まさかこんな早く西ゼン滑降のチャンスが来るとは思ってもみなかったので嬉しさよりも不安が大きかった。

しかし、チャンスは絶対に逃したくない。とにかく、地形図を買ってきてルートを確認する。25000分/1地形図の西ゼンの等高線を見れば見る程、不安は募る。核心部の第2スラブは斜度45度クラス。

細々と続けていたスノーボード歴は16年。ゲレンデレベルは中の下。そんな私がこんな斜面をまともに滑れる訳がない。夢に出てくる程緊張が高まった頃、コース変更のお知らせをMさんから受け取った。リスクが少しでも少ない平標沢ルートからの仙ノ倉谷に変更になったと。

「ああ~助かった~・・・」

と思ったのは私の甘い考えであった事をこの日、思い知らされた。

登りはヤカイ沢左岸から尾根を直登する。私はワカンを履いて登ったが、樹林帯は雪が緩んでいて、そこらじゅうに空洞があり、思いっきり踏み抜く事数回。スキー組は滅多に埋まる事はないので先行していく。這い上がる為に一人でもがいていると「帰りたい・・・(泣)」と本気で思った。

しかし、先行しているスキー組を見上げると、板を履いての急登ハイクアップに苦戦していた。凍った斜面ではシールのフリクションも効かず、新倉さんも松尾さんも滑落するように落下して木にぶつかって止まる時もあった。それでも黙々と立ち上がりまたハイクアップしていく。

お二人のその姿を見た時、戦っているのは私一人ではない。みんな、それぞれにこの雪上で戦っているのだと思ったら勇気が湧いてきたと同時に、泣き言を言っている自分を恥じた。

そこからは黙々と登る。稜線に出ると恐ろしい程に美しい谷川の山々が、真っ白に光って連なっていた。やっとの思いで平標山頂に立つと、第一関門を突破した安堵感が湧く。

そう。何ども言うが、今回は本格的バックカントリーである。ここからが本番だ。

平標稜線を少し北上した所から平標沢方面へドロップインする。最初はシャリシャリ雪で傾斜も思った程キツくない。しかし、少し下に下ると斜度40度以上はありそうな急斜面でカリカリ状態だった。{レベル:中の下}ではボードのエッジが上手く効かせられず、ハイクアップで疲労した大腿筋がガクガクして、カリカリ雪に耐えられない。そして、一度転ぶと滑落状態になり本気で止まらない。そうかと思うと下の方へ下ると雪が重く、ターンする度にボードの先端が雪に突き刺さり転ぶ。それはまるで、ボード板がヘリコプターのプロペラの如く派手に回る。ことごとく無様な滑降だった。

そして、仙ノ倉谷付近まで来ると斜度は無くなったのでワカン歩行する。こうなるとボードは遊ぶ為の「おもちゃ」だという事を思い知らされた。板を担がないで少しでも早く楽に歩けるようにと、松尾さんがボードをシュリンゲで私のザックに繋いでくれた。

野球部がタイヤを引いて走っていた姿に似ていて、一人でニヤリとするが、土樽に着く頃には薄暗くなっていて、そんな余裕も無くなり、しゃべる言葉もロレツが回らない程に疲労困憊した。

今回は私の日帰り山行の中で一番過酷で打ちのめされた山行だったと思う。

しかし、こんな未熟な私でも、無事に帰ってこれたのは、NさんやMさんの勇姿に勇気をもらったり、助けてもらったからこそと思う。

そして、山は良い事も悪い事も、あくまで平等だ。自分の技術、体力が歯が立たないで打ちのめされたかと思うと、飲み水が足りなくなって氷や雪を食べたり、沢で汲んだ美味しい水を飲んだ時は助けられたと感じた。

そして、打ちのめされっぱなしだった今回の山行も終わってみると楽しかった。

そして、来シーズンはスプリットボードを購入しようと強く思った。






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