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  • 執筆者の写真sanyukai

上越 巻機山米子沢


桜坂駐車場6:30---最後の堰堤より入渓6:42---避難小屋12:30/13:20-----ニセ巻機山13:30---桜坂駐車場15:30

先週の会山行が悪天候で中止になったのは、絶好の遡行日和である今日の為であったに違いない。そう思わせる程、天気に恵まれた遡行だった。気温も高く風もほとんど無いので、木々が燃えるように紅葉するこの季節なのに体が水に濡れても大して寒くない。(あ、それは新しい沢用ウェアのお陰か?)景色は雄大。それでいて冬の間、豪雪によって磨かれたナメ床が遡行者の心を癒してくれる。メンバー全員がこの景色に見惚れながら遡行した。あまり見惚れていると足元がおろそかになり、「ナメ床ですってんころりんどこまでも。」なので気をつけねばならない。この沢は癒しのナメ滝だらけのイメージだが、滝の多くは豪快に水を轟かせ翡翠の様な色をした深い釜へ水を注いでいる。当然、緊張する場面も沢山あった。一見、ロープ無しでも簡単に登って行けそうな滝で、皆さんが踏んでいったであろう箇所を手で掴んだ瞬間に1m×30cm程の岩が剥がれて緊張した場面もあった。これをロープ確保なしでいきなり踏んだ時の事を想像すると身震いがした。きっと、事故はこうゆう瞬間に起こるのだろうと、身が引き締まる思いがした。

緊張したり、景色に見惚れたり、癒されたり、源頭部では小川のせせらぎを心地よく感じながら歩き、赤テープがある所を上がると藪漕ぎも全く無く、快適なまま避難小屋に突き上げ6時間の遡行は本当にあっと言う間に終わってしまった。こんな快楽的な沢は初めてだった。いつもの泥まみれ急登のツメに、ヤブ漕ぎの笹で顔を傷つける沢とはまるで世界が違う。こんな沢もあるんだ。そして尾根へ上がって下山する時に、この巻機山の真の素晴らしさを知った。下山途中で私達が遡行してきた米子沢が見える。こんな遠くにいるのに滝の轟音が微かに聞こえる。あんな所を歩いていたのかと思ったら感無量だった。なんだか自分もこの山の一部になった気がした。勘違い、思い上がりかもしれないがそんな気が確かにしたんだ。でもそれは、この米子沢が今回に関しては私達を優しく受け入れてくれたからであろう。でも、それでいい。たまにでいいから、優しく受け入れてもらえる時に何度でも行きたい。そう思わせる程の素晴らしい沢だった。

因みに・・・巻機山登頂チームがガツガツと山頂を目指して登り始めた途端に、真っ白で寒~い風を吹かせるガスが山頂を覆った。冗談みたいに・・・「ざま~みろぉ~!(笑)」(最近、Gさんに思考回路が似てきていると感じる今日この頃であった)






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