醤油樽の滝駐車場 6:00~醤油樽の滝6:30~醤油樽の滝上7:15~二段10mの滝7:50~最後の二股8:50~登山道10:00~西天狗岳10:45~根石岳11:50~夏沢峠12:30~醤油樽の滝駐車場14:20
駐車場から醤油樽までは観光用登山道になっていますが、ナメ床を利用すれば登山道より歩き易い。醤油樽の滝は正に樽の底に居るような不思議な空間でアルミのはしごを降りると三方が黒い壁に塞がれて30メートル上から垂直に水が落ちている。もちろん直登は不可能で梯子を上り返し登山道を戻る。最後の木橋手前右岸を立木を頼りに上りあやふやな踏み跡を追いかける。沢を意識し過ぎ崖に追いやれてしまった。50m程引き換えし他の道を探す。屋根のような岩壁基部を左に、ますます沢から離れていく。踏み跡を慎重に追いかけていき尾根をまたぐと真近に沢音が聞こえた。急な斜面を時々スリングをからませながら沢床へ向かう。降りた所は醤油樽の滝の真上、水平距離3メート、垂直距離35mを30分掛けて到着。ここからしばらくは穏やかなナメが続く。時々倒木をまたぎながら2段10メートルの滝に。ここを巻いてしまっては登れる滝はもうない。下から見る限りは難しそうではなかった。下段は残置ハーケンでビレーを取り一手のないところをマントリングで上がる。二段目は左の泥の溝を使えば簡単そうだったが、果敢に水流近くにルートを取る(って言っても上段も5メールくらいだが)。中間までは問題はないがそれからの一手がない。左に草はあるが持ったところで芝くらい体重を預けるほどではない。右手でイッパイに延ばせば浅い縦のホールドがあるが角度が微妙でこれを使うにはレイバック気味に登るしかない。「ムー落ちたら痛そう」「ハーケンを打ちこむところは?」「ここからはクライムダウンは無理か?」など考えること暫し。靴のフリクションを外傾したスタンスにこすり付け確認する。「行ける」と判断し一気に体を上げた。結局その一歩だけだった。その後、滝らしい滝は1か所4m位で全く手が出ないハング滝で普通に歩けば自然に巻道にいざなわれる。最後の二俣を左に曲がると荒涼とした泥ガレに出た。少し登ろうとしたが、足元から崩れてこの崖を登るのを諦めて左の尾根に踏み跡を見つける。踏み跡とも獣道とも判断できぬ樹林帯の急登を詰めていくと樹林は無くなり急なガレに変わる。急なガレを浮石に注意しながら高度を上げると再び樹林帯に入りほどなく唐沢鉱泉~天狗岳の登山道に出た。第二展望台付近で沢装備を解除。あとは一般登山道で天狗岳に向かう。なんとなく去りがたい思いで夏沢峠にてホットコーヒーを注文して長めの休息を取った