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  • 執筆者の写真sanyukai

北アルプス 笠ケ岳


7/22 新穂高温泉6:00---笠ヶ岳登山口7:00---杓子平11:00---抜戸岳分岐12:30---テント場13:40

7/23 テント場5:50---分岐6:40---杓子平7:30---笠新道登山口10:00---新穂高温泉11:00

7月に入り、梅雨で雨が続いた事と休みのタイミングが悪く、本当にこの1ヶ月山に登ってなかった。1ヶ月ぶりの山がいきなりテント装備で望む笠新道になった。今期初めてのテント泊だ、出来るだけ軽量化で望むため、まずザックは50Lにした、70Lにすると余裕がありどうしても物を持ってしまうからだ。しかし、2日目の秩父平の通過にはまだアイゼンとピッケルが必要らしい、テントとアイゼン、ピッケル、これだけで重そう!荷物の準備を3日間に分けて少しずつした、後にこの事が痛恨のミスを産んだ。水と2食分の朝と昼ご飯は出発後に入れるとして、この時点でザックの重量は11,5キロ。水が2L、ペットボトル2本、2食分の朝、昼ご飯で追加分は5キロ位かな。2度目の笠新道だ、今度こそ槍様の絶景を見るはずだった。

登り始めてまず樹林の間から西穂高岳と焼岳が見えてきた、西穂高岳のギザギザした頂きに少し雲が掛かっている。間の岳、天狗のコルと稜線は続いている。来月はあそこを歩くんだなあと身が引き締まる。笠新道登山口の標高が1350m,笠ヶ岳が2897m、標高差1500m。コースタイム約7時間。前回も雨のなか、テント担いでコースタイム通りかかったなあ、アルバイトの出来ないタフなコースだ。前夜車中泊で睡眠不足と暑さと山が久しぶりなのとで、背中のザックが凄く重い、いつもより汗も大量にかいている、どうも今日は調子が良くないなあ、登りきれるのか?などと考えながら歩く。1時間おきに休憩を入れる、そのたびにまたこの馬鹿みたいに重いザックを担ぐのかと嫌になる。こんな事思う時は本当に調子が悪い時だ、しかし歩いていれば段々標高が上がってきた。西穂高岳しか見えなかったのが、白出沢から突き上げて穂高岳山荘、北穂高岳、大キレットも確認できる、目の前に威厳を放つ穂高の縦走路だ。ただ雲が掛かってスッキリ見えない、槍もあの先にあるはずだかいまひとつ見えない。樹林を抜けて景色も良くなると、足元にはお花畑が広がっていた。ジグザグと登っていた登山道がなだらかになりやっと杓子平に出た。ここからは笠ヶ岳が見え、雪解けあとにはお花畑が広がる雲上の楽園歩きを楽しめるはずだった。しかし、暗い雲が立ち込め今にも雨が降りそうな怪しい景色が広がっていた。飛騨側と長野側でこんなに天気が違うのか。やはり下り坂なんだな、笠の山頂から果たして槍様は見えるかなあ?そんな事を思いながら歩いているととうとう雨粒が落ちてきた。そして相棒さんとの話題がカッパをいつ着るかという話しになったときやっと気付いた!

あれ?カッパをザックに入れた記憶がない!!

寝袋を入れ、着替えは車に置いて置くので別に持ち、テント、マットを入れた!?やっぱり見た記憶がない!!日帰り用のザックを空にして確認したつもりだったが、忘れているかも?!

ヤバい、ここからもう下山しようか?明日の天気は?雨は強くふるのかなあ?ここまで登ってきたのに、どうする?などと考えながら下山する勇気がなかった。結局登っていた。雨は霧雨で時々強く、雨より風の方が強い、南風のようで暖かい風だ、稜線に出ると雨より風が吹いていた。濡れたズボンは乾いていた、暖かい風が強く吹く。稜線に出てからコースタイム通り一時間で小屋の手前にあるテント場に着いた。

風が抜けるようにテントとの向きを考えて張った。風は強いが雨はそれほどでもない。

山小屋直下の雪渓を渡り受付を済ませる。ここで午後2時だ、6時に新穂高温泉を歩き始めてて8時間、やっぱりタフなコースだ。コースタイム通り。アルバイトは出来なかった小屋でホットミルクを頼んで飲んだ。 とにかくテントに戻り早く寝袋に潜り込みたかった。疲れた~!

笠ヶ岳山頂へは小屋から15分位で直ぐだが、展望は望めない、小屋の回りは真っ白いガスの中。前回はそんな中で山頂まで上がった、もう1度いっているからいいや、それより雨が気になった。小屋の情報では明日は午前中の降水確率90%。雨が降っていないうちにとにかくテントに戻った。昼ご飯用のおにぎりを2つ食べたが、どこに入ったかわからないくらいまだお腹が空いていた。少し早いが夕食を作って食べることにした。雨も降ってきたが、風が凄い!もう一歩も出ないと決めて、とにかくお腹一杯食べて寝ることにした。ラジオを聞きながらうとうとした。テントの外はまだ明るい、時計を見ると午後6時だった。テントに当たる風が凄かったが、稜線のテント場でもっと凄い風も経験しているので風はそれほど気にならなかった。私のテントはこのくらいの風では何の心配もないという自信があった。いつも耳栓をして寝るので風の音は子守唄にする自信もあった。だだ最近は歳のせいか、山小屋でもテントでも昔のように寝れなくなった。疲れていても同じだ、今日は寝れるといいなぁ、などと考えながら寝袋の中で風の音を聞いていた。少し眠ったのだと思う、いつの間にか風は収まっていた。風の音が収まると今度は雨が凄い!特大のシャワーを全開にして誰が私のテントに集中放水しているのかと思うような勢いだ。台風の影響で大気が不安定、所によって激しい雨や雷。ラジオで言ってたなあ、雷が鳴らないだけましかなあ、こんな激しい雨は何時間も続かないはず、きっとやむはずた、とにかく今は寝よう。風の音より雨音のほうが子守唄にはむいている。次に目が覚めたときも雨の音が相変わらず激しかったが、水の流れる音が新たに増えていた。そうだよなぁ、これだけ雨も降れば水の流れができるよなあ、、、?!リアルに近い所に音がする気がしてきた、時計を見るとまだ夜中の1時半だった。テントの中は異常がないようだが、外の様子を確認しておこうと思った。昨日雨に濡れてザックの底が泥になっていたので、テントの中に入らずに前室に置いておいたのが失敗だった。前室にあるザックは川の中に浮いているようだった。前室だけではない、当然テント下には水の流れがあった。よく見ると、ウォーターベットのようにテントの床が揺れている。

寒いかもと思って持ってきて敷いておいたアルミを張ったシートがテント内の浸水を防いでいてくれた。不幸中の幸いというやつか?この様子だと明るくなるまで寝ていられると判断した。

とういより、この真っ暗な夜中にテントから飛び出し小屋に逃げてもしょうがない、濡れるだけだ。4時半には明るくなるだろう、明るくなって、雨が弱まったらテントを撤収しよう。それまで何をするか?とにかく今は寝ているしかない、明日の為にも寝ることにした。

1時間間違えてセットしておいた目覚ましが鳴ったのが3時だった。テントの中の状況は変わってなかった、ひと安心する。さて、まだ明るくなるまで1時間以上あるぞ、もう少し寝ていようかと身体を寝袋に1度は入れたが、思い直した。今のうちに腹ごしらえだけしておこう。いつ雨の中テントを撤収しなければいけなくなるか、そうなれば雨の中ご飯を食べたりなんかできないぞ。とにかくお腹一杯食べておこう。歩き出せば休憩もとれるかどうかわからない。そう決めたら、水で浮いている板の上にコンロをセットして、前室でお湯を沸かしコーヒーを飲みながらパンをかじった。砂糖もいっぱい入れてカロリーを少しでもとっておこう。

食べながら、こんな状況でコーヒー飲んでる自分が図太いなあと思った。考えようによっては、この状況ってかなりヤバいとも考えられなくはないか?それとも、シュラフが濡れてないのだからいいのかなぁ?気持ち次第だよなあという結論になった。慌ててもしようがない、腹ごしらえがすんだら、あとはテントを撤収するタイミングだ。小屋泊まりの相棒さんと6時にテント場でと約束したので、5時半まで待って、雨の音が弱くなったとき撤収開始と決めた。1時間も待たなかったかなぁ、人の足音が聞こえる、雨の音も聞こえなくなった。

さあ、行動開始だ。とにかくあとは笠新道をまた下山しよう。

天気が良ければ秩父平を回って、鏡平から下山するつもりで持ってきたアイゼンとピッケルがお荷物になった。濡れたテントも重い、ザック自体濡れて重くなっている。確実に食糧は減らしたのに、ザックは行きより重かった、かさ張った。カッパがない、撥水加工をしたヤッケを着て歩き出す。雨は時々激しく降るが風は無かったのが助かった。雷も鳴らなかった。7時間かかって登って来たが、下りはどのくらいかかるだろうか。まずは、抜戸岳の分岐を目指す。分岐まではほぼ水平な稜線歩きだが、先にある笠新道の下りを考えて、今日の体調を確かめるために押さえ気味に慎重に足を進めた。コースタイムより10分早く到着、少しでも早く着けたのが嬉しかった。この時点でズボンはびしょ濡れだ。ただ寒くないので助かった。ここからはひたすら登山口まで下りだ。昨日登って来た杓子平の登山道は水が流れ沢のようになっている。出来るだけ水に落ちないように岩や大きな石の上に足を置いて渡っていく。下りの傾斜があるので体重移動だけで岩の上を跳んでいく。楽だし結構歩き易くて好きだ。あっという間に杓子平の下まで降りた気がした。ここまで、テント場から1時間30分くらいか。あとは笠新道だ。休まず一気に下りはじめる。昨日より身体が動く気がした。調子は悪くないようだ。相棒さんとの間を詰めるために立ち止まる少しの間で、ヤッケのポケットに入れて置いたウイダーインゼリーを飲む。雨がしのげる樹林に入った、歩き始めて2時間以上たった、さすがに喉も乾くので適当な場所を見つけてザックを下ろして水分補給をした。ポケットのウイダーインゼリーを飲み切っていたので新しいものをまたポケットにいれた。相棒さんもザックを担ぎはじめる、この間10分もたってないと思う。さあ、あとどのくらいで下りられるだろうか、4時間で上がったのだから、この雨の中だ、2時間くらいで下りたいねと言う話しになった。樹林帯に入ってからの登山道も相変わらず岩や段差があり、おまけに雨で濡れている、滑りそうだし、気を付けておりる。膝にもこないように、そしてスピードは殺さずに!結局笠新道登山口に下りたのが10時だった。歩き始めて4時間で下りられた、とりあえず林道に下り立ちほっとした。あとは一時間の林道歩きで新穂高温泉の車までたどり着けばいい。考えてみると、新穂高左俣を歩いたのは今回で3度めだが、いつもカッパを着てずぶ濡れ(今回はカッパを着てないけど)、相性が悪いのか、私の判断がわるいのか、笠新道も2度とも雨でピストンとなってしまった。槍様は1回も拝見してない。

もう一度来ないとなあ、次に来るときは確実に何歳か年をとっていることだろう。そのときは、小屋泊まりの荷物で鏡平で槍様と穂高の絶景を見よう。秩父平からのんびり笠ヶ岳にも上りたい。笠ヶ岳の山頂からの眺めも楽しみだ!標高差1500mはあるタフな登山道を2度もテント背おい登ったんだから次は可愛らしく登ろう、そしたらお姿も見せてくれるかも。クリヤ谷の方の登山道も気になるが、私があと10歳若く、登山の寿命も10年余分にあればいけたかもなぁ。

今はもう笠新道でお腹一杯で、何もいただけません。ご馳走さまでした


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